次世代X線CT再構成ソフトウェア、TomoShop®の紹介。CT再構成、可視化、計測機能を一体化し、メタルアーチファクト、リングアーチファクト、カッピング効果等のアーチファクト低減・削除処理、幾何公差補正に優れた高機能CTソフトウェアです。X-ray CT software with high valued functions.

CT画像再構成技術の説明

CT画像再構成技術の説明

X線CTシステム(コーンビームCT)の概略

右図は標準的なコーンビーム型X線CT装置(CBCTとも言う)を表しています。被写体を乗せたテーブルは360度回転して各方向からCT撮影を行い複数の透視画像を得ます。これとは別に被写体が固定されカメラとX線発生器が回転するタイプもあります。CT撮影により得られた複数の透視画像はCT再構成ソフトウェアにより再構成(3次元化)されまた綺麗な画像を得るための様々な処理が施されます。こうしてできた3D画像データはスライス画像と呼ばれ、非破壊検査等でユーザーにより観察、分析されます。

standard_ct_scan

画像再構成処理の流れ

recon_step

通常のCT画像再構成は左図のようなステップで行われます。弊社のCT画像再構成ソフトウェア:TomoShop®はこの左図の流れで再構成処理を行いますが、下記の機能を使い一般的な方法よりもっと高画質な再構成結果を高速演算処理で提供します。

  • 様々なデータ・フォーマットを読込み処理する機能
  • 透視画像上のノイズを軽減する機能
  • 再構成画像上のアーチファクトを軽減する機能
  • 膨大な計算量を必要とする逆投影処理を高速に行う機能
  • 様々なCT撮影システムに対応するアルゴリズムを実装

では、高機能CT再構成ソフトウェア:TomoShop®を使用するメリットを順次見ていきましよう。

1. 高速処理で行う断層再構成

高機能CT再構成ソフトウェア:TomoShop® によるFDK法[2]を用いた高速断層画像再構成の例を下記に記します。

  • 撮影枚数:1°間隔で360枚
  • 撮影画像のサイズ:512×512
  • 再構成画像のサイズ:512×512×512

計算時間および実装環境を以下に示します[1]。

  • PC: ノート型PC
  • OS:Windows 7
  • CPU: Intel® Core™ i7-363QM @2.4GHz
  • メモリー:16.0GB
  • GPU:NVIDIA GeForce GTX 680M
  • 重み計算+フィルタ計算+逆投影計算:1.5 秒

TomoShop®の高速処理スピードは従来の再構成と比較すると数十倍~数百倍の速さを実現しました。
より高性能なGPUの選択とPCのメモリ数を増やすことにより、さらに高速処理が可能となります。
将来的にはマルチGPUを使用することにより更なる高速化を実現する予定です。

CUDA™とは?

CUDA™は、NVIDIA社が提供する並列計算アーキテクチャです。
CUDA™GPUの能力を利用することにより、計算処理能力を劇的に向上させ処理時間短縮等を実現することができます。

2. 高画質、高品質の断層像

FPD(Flat Panel Detector)等の検出器を使用するコーンビームCT装置によるCT撮影で得られたRAWデータ(投影画像データ)の
精度は、その後再構成処理して生成される再構成画像に直接影響を与えます。

例えば、X線の強度が正確に測定されていない場合に生じる問題として、再構成画像の中心が暗くなりエッジに近かづくにつれて明るくなる現象であるカッピング効果というアーチファクトが生じます。(ビームハードニングに起因するカッピング効果)
カッピング効果のあるボリュームデータは三次元測定等を行うと正確な寸法が測れない等の問題を生じさせます。
下記の図はTomoShop®の機能を使用してカッピング効果を補正した結果です。[1]

raw_data_artifactTomoShop®にはその他の種類のアーチファクトに関しても軽減補正処理をする機能が豊富に搭載されております。
また、画像再構成アルゴリズムの選択も画質を決定づける重要な要因となります。 弊社のCT再構成ソフトウェア:TomoShop®には標準的に使われるFDK法以外にも新しく開発したCFDK[1]法やCUDAで高速化できるように改良したTFDK[1,3]法を実装して、 特殊なフィルタを掛ける手法を用いることによりコーンビーム・アーチファクトの軽減が実現できました。下図ではFDK法、TFDK法そしてCFDK法を使用したAxial Intensity Dropを補正した結果を示しています。
fdk_tfdk_cfdk
Axial Intensity Drop:コーンビームCT装置でCT撮影する時の円周軌道のズレや歪み等の問題で生ずる問題被写体の中間部分は正確だが上下の端に近づくにつれ正確度が薄れていく現象。

3. 様々な装置に対応した高汎用性

1.ノーマル逆投影、Omni逆投影、オフセットスキャン・アルゴリズム

コーンビームCT装置(CBCT)は様々な形態があります。なぜならばCTが利用される分野や目的は多岐に渡り、その各分野・目的により装置の幾何学的な設計は異なります。特にスキャン起動や検出器の配置・形状はそれぞれの分野で異なる形態となっております。一例を上げると、乳がん検査用デジタルTomosynthesis装置の場合は、工業系分野等でよく使われるコーンビームCT装置とは形態が大きくことなりますのでFDK[2]法をそのまま使用する事は不可能です。

TomoShop® は、標準な円軌道のほかに、 楕円軌道・多角形軌道など非標準的な撮影軌道や様々な撮影幾何系に拡張・対応するよう為に汎用性の高いOmni逆投影アルゴリズムを組み込んでいます[1]。

また、サンプルの中心からX線の照射の中心をずらすオフセットスキャンにも対応しております。

AllPartialScanReconstructionJP

OmniScanReconstructionJP

OfsetReconstructionJP

2. 部分再構成

実際の非破壊検査では、被写体の全体を検査するより部分的に検査する場合が多くあります。よってその場合は、CTスキャンする撮影範囲も被写体全体より部分的に撮影した方が合理的となります。TomoShop®はユーザーが検査したい撮影領域をパラメータ設定する事により部分的に逆投影処理する事が可能となり、被写体を部分的に高速で再構成する事が可能です。

AllPartialScanReconstructionJP

3. ズーム再構成

CT装置は、検出器の画素サイズ、X線源から回転中心までの距離、X線源から検出器までの距離により画像再構成における被写体の標準ボクセルサイズは決まります。しかしユーザーは実物大のサイズより、そのボクセルサイズを拡大/縮小したい場合があります。TomoShop®はユーザーが与えたボクセルサイズにより被写体のサイズを拡大、又は縮小して再構成する事が可能です。

ZoomScanReconstructionJP

4. 傾斜CT画像再構成

傾斜CTに対応します。傾斜CTは厚みが非常に薄いモノや微小の物体を観察できるように開発されたCTの形態です。傾斜型CT(PCT、Planar CT)にはTomoShop® F Editionシリーズで対応します。

Oblique View CT2

☞ 傾斜CT画像再構成

☞ TomoShop® F Editionシリーズ

5. ヘリカルCT画像再構成

ヘリカルCTに対応します。ヘリカルCTは医療系、工業系で良く使われるCT装置の形態です。ヘリカルCTにはTomoShop® Helix Editionシリーズで対応します。

helidalCT1

☞ TomoShop® Helix Editionシリーズ

 

6. マルチカメラ対応

マルチ検出器に対応します。

MultiCamera_Japanese

7.マルチX線源対応

マルチX線源に対応します。

MultiX-ray_Japanese

8.水平並行(直進)起動系に対応

インライン自動検査システム等で使用される水平並行(直進)起動系CTに対応します。TomoShop® HT Edition シリーズは水平並行(直進)起動系CTに対応します。

linearct0

linearct1

水平並行(直進)起動系CTは上記以外の形態もありますのでそれらの形態にも対応する事が可能です。

その場合は弊社までお気軽にご連絡ください。

☞ TomoShop® HT Edition シリーズ

9.マルチGPUによる超高速再構成

かなり大きいサイズの撮影画像データを再構成処理する場合、一つのGPU(グラフィック・ボード)だけでは力不足でかなり時間がかかり過ぎる場合があります。

そこで、TomoShopはマルチGPUを使用して大きいサイズのCT画像データでも短時間で再構成を行う事が可能です。同じ型番のGPUを複数(最大16個)使用して、 超高速で大きいサイズの撮影データをCT再構成します。
※この機能はVer3.5から使用可能となります。

標準の円軌道コーンビームCT装置(CBCT)で撮影した撮影データに関して、FDK[2]法を用いてCT再構成する場合、計算時間と実装環境は以下になります。

  • OS : 64ビット Windows 10 Pro
  • CPUおよびメモリ: Intel Core i7-6850K 3.60GHz, 128GiB RAM
  • GPU : デュアル GeForce GTX 1080、8GiB GDDR5X, CUDA Version 8.0
  • 撮影画像サイズ:2000×2000 ピクセル
  • 撮影画像枚数:720 枚
  • 再構成画像サイズ:2000×2000×2000 ボクセル
  • 再構成時間(Log 計算+重み計算+フィルタ計算+逆投影計算)の比較:
    シングルGPU ☞ 52秒
    デュアルGPU ☞ 30秒

注:マルチGPU機能はオプション機能です。(別途料金がかかります。)

 

[1] 李 美花、工藤博幸, CUDAによるコーンビームCT画像再構成の高速化とツールキット開発, 映像情報メディカル, Vol. 40, No. 13, pp. 1194-1198, 2008年12月.

[2] L.A. Feldkamp, L.C. Davis and J.W. Kress, Practical Cone-Beam Algorithm ,J. Opt. Doc. Am. A 1, pp. 612-619, 1984.

[3] M. Grass, T. Koehler and R. Proksa, 3D Cone-Beam CT Reconstruction for Circular Trajectories, Phys. Med. Biol. Vol. 45, No. 2, pp. 329-347, 2000.

※画像及び説明文は緑野リサーチの許可を得て使用しております。

 

お気軽にお問い合わせください。

PAGETOP
Copyright © 株式会社アイケダ All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.