もくじ

 

CT用語集

アルファベット

Axial Intensity Drop

CT再構成アルゴリズムのFDK法は現在最も使われている再構成法ですが、スキャン角度等の問題で十分に情報が得られなかった領域が正しく再構成されないという問題があります。つまり、X線が最もよく照射され透過している中心部は正確だが上方部や下方部に近づくにつれて正確度が落ちる現象です。アーチファクトの一つとして定義されている場合もあります。Axial Intensity Dropの問題はCT再構成ソフトのアルゴリズムにより修正します。

CPR表示(シーピーアール、英語:curved planner reconstruction)

CPR表示とは、CTの画像表示法の一つです。任意の平面から容積データを切り出す表示方法です。MPR表示では不可能な形状(例:管状の形状、血管等)の走行に合わせて容積データを切り出す事が可能です。曲線や折れ線で容積データから切り出します。

CNR(シーエヌアール、英語:contrast noise ratio)

CNRとは、CTで得られる画像分析におけるコントラストとノイズの比率で、コントラスト分解能の指標です。

CT

コンピュータ断層撮影、Computed Tomography

詳細はCTページを参照してください。

CT画像再構成

CT画像再構成は、CTスキャンで取込んだ投影データ(生データ、ローデータ)をCT画像再構成ソフトの機能で3次元化する工程をいいます。単に再構成ともいいます。

CT画像再構成ソフトウェア

CT画像再構成ソフトウェアは、CTで取込まれた投影データを3次元化するソフトウェアです。アーチファクト軽減処理、フォーカシング補正等の高品質な再構成結果を出力するのに欠かせない重要な作業もソフト的に行います。弊社のTomoShop®はこのソフトウェアの一例です。簡略化した呼び方でCTソフト、CT再構成ソフト等と呼ばれております。

CTソフトウェア

CTソフトウェアとは、CT画像再構成ソフトウェアを指します。以前は再構成のみ行うのが主流でしたがTomoShop®のように画再構成、三次元画像表示、計測・解析まで行うソフトウェアが出てきました。簡略化した呼び方で”CTソフト”と呼ばれています。

CT値(英語:CT value)

CTにおいてX線の吸収率を表す指標。CT値の単位はHounsfield unit (HU)と表記します。

CT値は、空気を-1000HU、水を0HU、硬い骨を+1000HUとして物質の密度(X線吸収値density)を2000分割しています。マイナスの数値(0~-100)は脂肪とします。CT値はgray scaleというbarを使用してあらわされる場合があります。

真黒から真白までの間は灰色に区分されており、CT画像は、黒、白そして灰色で表示されています。高いCT値ほど白く表示されます。一般的に人間の目では灰色の程度は16段階程度しか区別することができないと言われています。

CTDI(英語:CT dose index)

CTDIとは、CTにおいてX線量の被曝評価に使われる指標です。

FOV(エフオーブイ、フォブ)

有効視野の範囲

MIP表示(英語:maximum intensity projection)

MIP(ミップ)とは、サンプルのボリュームデータを任意の方向から平行に投影を行い、ボクセル中の輝度値(CT値)の最大値を投影面に反映させる事により3次元画像を作成する方法です。

利点としてはCT値の違いが良く反映されているので、似たCT値を持つ複数のモノが重なりあっている場合に区別を付けやすくなります。

最大値投影法とも呼びます。

詳細はボリュームデータの可視化技術の説明ページを参照してください。

MPR表示(英語:multi planer reconstruction)

従来、CTは横断像であるが、体軸方向に複数の画像を得ることにより、それを並べ替え、矢状断面、前額断面、傾斜断面等を可能にした表示方法です。

MTF(エムティーエフ)

MTFとは、空間周波数に関する反応で、空間分解能を評価する時に用います。

NDT(エヌディーティー)

非破壊検査の略式記号。

Q-Q検出器

オフセットディテクタを使用する場合の検出器の配置を示す言葉です。これにより空間分解能の向上が可能となります。

ROI(ロイ)

CTスキャンにおいて、画像解析のために設定される画像範囲の事を言います。関心領域と表現する場合もあります。

VR表示

詳細はボリュームレンダリング表示ページを参照してください。

X線

X線とは、波長が10-12から10-8m(0.01~100Å)程度の電磁波の一種です。物体によるX線の吸収は、使用するX線の波長、物体の厚み、物体を構成している元素の種類及びそれらの比率に依存しています。

X線CT装置

X線CT装置は、測定する物体に多くの異なる方向からX線を照射して吸収を測定し、コンピューターソフトウェア(CT再構成ソフトウェア)により画像を再構成して物体の二次元断層面画像(スライス画像)及び三次元画像を得る装置です。1979年にノーベル賞を受賞したハンスフィールド(G.N. Hansfield)とコーマック(A.M. Cormack)が開発したX線断層装置撮影装置(X-ray computed tomographic scanner)が初とされています。弊社のTomoShop®シリーズはCT再構成ソフトウェアにあたります。

詳細はCTページでも参考になります。

X線透過法

X線透過法は、X線を用いて検査を行う手法の一つで、X線の吸収現象を利用しています。X線の透過力は波長が短い程大きくなります。また物体を構成する元素の原子番号が小さかったり、厚みが薄かったりするとX線が良く透過します。X線透過法はX線の透過力の違いを利用して物体の内部構造を観察する方法です。

一般的に短波長のX線を硬い、長波長のX線を軟らかいと表現します。X線発生器にかける電圧が高い程、短波長成分が多い硬いX線が発生します。生体等、軽元素からなる材質を調べるには軟らかいX線を用いますが、鉄等の固い物質を検査する場合は硬いX線を使用するのが一般的です。

X線CTスキャン装置、X線透視装置、レントゲン写真等はその技術(X線の吸収現象、連続X線の使用)を使っています。X線を用いる測定法でX線透過法以外では、X線分光法(蛍光X線の放出現象)、X線解析法(X線の散乱現象)があります。

アーチファクト(英語:artifact)

アーチファクトとは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の総称。

詳細はアーチファクトページを参照してください。

アイソトロピック(英語:isotropic)

アイソトロピックとは、立法体がどの方向からも空間分解能が等しい状態をいいます。簡単にいえばピクセル・サイズとスライス厚が等しい状態です。等方性とも呼ばれます。

圧縮センシング(英語:composed sensing, compressed sampling)

圧縮センシングとは観察対象データがスパース性を持つ信号と仮定して、必要とする未知数の数よりも少ない観測データから、ある条件の下で対象を復元する手法。スパース性を持つ信号とは、線形変換を施すことにより、信号成分の大半が0になる信号です。信号がスパース性を持つ場合、少数サンプリングデータ、又は不十分なサンプル数のデータから原信号を復元する画像技術です。X線CTの分野で圧縮センシングの技術を使用して得られる利点は、従来よりX線のX線の投影回数(撮影枚数)が少ない状態での画像再構成をを可能にする、被写体を全周囲方向から撮影する必要性がなくなる、X線を照射する領域を狭める等であり、被曝量の低減と装置の小型化に貢献することが期待されています。圧縮センシングの用途として、医療用画像(X線CTでの高速化と解像度の向上)、画像処理(ピンボケ画像の先鋭化)等があげられます。

アフターグロウ(英語:after grow)

アフターグロウは空間分解能に関係して起こる現象です。検出器はX線を受けて発光しますが、この反応が遅いと次のデータの時も発光している状態となります。

異方性(英語:anisotropy)

1990年代初頭までのCTでは体軸断面(XY)と体軸方向(Z)の空間分解能が一致していないCT構成画像を生成していました。後に検出器の発展に伴いスライス厚を自由に調節する事が可能になり、体軸断面(XY)と体軸方向(Z)の空間分解能をほぼ一致させた(等方性)CT再構成画像を生成できるようになりました。

ウィンドウ機能(英語:window)

ウィンドウ機能とは、CT画像を観察する時にCT値を調整する機能。ウィンドウ機能が適切でないと観察に支障がでます。

ウィンドウ値(英語:window value)

ウインドウ値とは、CT値の濃度を表す時に使う値。

ウインドウ幅(英語:window width)

CT再構成画像において観察するCT値の幅(範囲)を調整することを言います。もしウインドウ幅を広く取れば観察する範囲は広がりますが、コントラストが低下しますので自分の観たい状態にするように調整が必要です。

エアーギャップ法(英語:air gap method)

エアーギャップ法とは、スライス感度プロフィール(SSPz)を測定する方法の一つです。アクリルの間に薄い隙間を作り、マイナス方向でスライス感度プロフィール(SSPz)を求める方法です。

エアーキャリブレーション(英語:air calibration)

本来、キャリブレーションは水を用いて行いますが、空気を用いて行う簡易的なキャリブレーションを行う方法です。通常は、CT装置の始業時に、ウォーミングアップと併せて行います。

オフセットスキャン(英語:offset scan)

オフセットスキャンとは、CTスキャンにおいてX線の光軸を被写体の中心からずらしてスキャンする方法です。

詳細はCT画像再構成技術の説明を参照してください。

オフセットディテクタ(英語:offset detector)

オフセットディテクタとは、空間分解能を向上させる手法です。CTスキャンにおいて、検出器を回転中心より4分の1ずらすことによって、対向する投影データが異なり、収集データの増加が可能となります。

階段状アーチファクト(英語:stair step artifact)

階段状アーチファクトはヘリカルスキャンに見られるアーチファクトです。ヘリカルスキャンでは、風車状アーチファクトの発生や画像再構成の間隔の拡大が原因で、三次元表示に階段状のアーチファクトが発生します。別名をヘリカルスキャンアーチファクトとも言います。

画像再構成

画像再構成とは、CTスキャンで取込んだ投影データ(生データ、ローデータ)をCT画像再構成ソフトの機能で3次元化する工程をいいます。単に再構成ともいいます。

詳細はCT画像再構成技術の説明を参照してください。

画像再構成エラー

画像再構成エラーの現象としては、黒いアーチファクトがシャワー状に出る状況を言います。原因として言える事は、画像再構成の失敗、画像再構成ソフトウェアの問題が考えられます。

カッピング効果現象(英語:cupping artifact, cupping effect)

カッピング効果現象とは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の一種です。ビームハードニング現象とも呼びます。

詳細はカッピング効果現象ページを参照してください。

関心領域

関心領域とは、CTスキャンにおいて、画像解析のために設定される画像範囲の事を言います。ROIと表現する場合もあります。

管電圧

X線CTスキャン撮影を行う時に使用するX線にかける電圧量。管電圧を上げればより沢山の量のX線を放射することになります。被写体の材質のサイズが大きいものや硬いもの、又は金属等Ⅹ線が透過しにくいものは管電圧を高くする必要があります。

管電流

X線CTスキャン撮影を行う時に使用するⅩ線にかける電流量。

ガントリー(英語:gantry)

ガントリーとは、医療系CT等に取り付けられているトンネル形状の部位。ガントリー内にはX線発生器とディテクターが備えられています。被写体はCTスキャン時にガントリーの中を通過してCT撮影が行われます。

きしめん現象(英語:flat noodle phenomenon)

ヘリカルCTスキャンにおいて、スライス厚を厚めにとった再構成画像において細い部位がその体軸方向に伸びたようになる現象。部分体積効果とも呼ばれます。

キャットファン(英語:CAT phantom)

CTの性能を評価する場合に使用するファントム。

キャリブレーション(英語:calibration)

キャリブレーションとは、CT値の校正やアーチファクトの低減のために行う作業です。水や空気を使用します。空気を使用する場合はエアーキャリブレーションと言いいます。

曲面多断面再構成画像

詳細はCPR表示ページを参照してください。

金属アーチファクト(メタルアーチファクト)

メタルアーチファクト。金属が被写体に含まれるとCTのスライス画像上に現れるノイズ現象。

詳細はメタルアーチファクトページを参照してください。

クイックスキャン

クイックスキャンとは、CT画像再構成を行う前にCTスキャンを連続的に行うCTスキャン方法。

空間分解能(英語:spatial resolution)

X線CT再構成画像においてどれだけ細かい部位、形状をクリアに表示できるかを示す性能。

クリッピング(英語:clipping)

X線CTスキャン撮影時において撮影X線ビームが点である線源部から被写体を透過して幅のある検出器に到達する時、通常、対向データ(得られる形状の情報)が異なります。この対向データ内で実物と差が出る現象をクリッピングと言います。

グレイスケール(英語:gray scale)

グレイスケールは灰色を濃い段階で表されたバーです。CT値のおよその目安を知ることや、イメージャーの調整の確認ができます。

ゴーアンドゴー(英語:go and go)

X線CTスキャン撮影方法の一種で同一部位を経時的にスキャン撮影する方法。同一部位を体軸方向にスキャンします。多時相スキャン撮影とも呼ばれます。

ゴーアンドリターン(英語:go and return)

X線CTスキャン撮影方法の一種で同一部位を経時的にスキャン撮影する方法です。同一部位を体軸方向に往復しながらスキャンします。こちらもゴーアンドゴーと同じく多時相スキャン撮影とも呼ばれます。

コーン角(英語:none angle)

Ⅹ線CTスキャン撮影時において、Ⅹ線ビームの体軸方向(被写体)への広がりをコーン角と呼びます。コーンビームCT(CBCT)で使われる角度である。

コーンビームCT(英語:Cone-beam CT, CBCT)

3次元CTと呼ばれるCTスキャンの方式。1回転の撮影のみで被写体全体のCTスキャン画像を得る事が可能。フラットパネル、又はIIカメラを検出器で使用する。検出器の受光面積が広い為、管電圧の高いX線は苦手であるが撮影時間は短くて済むので産業用CTでは広く使われている方式である。

コントラスト分解能(英語:contrust resolution)

X線CT再構成画像において、CT値の差がどれだけ区別して表現されているかを示す性能を言います。密度分解能、濃度分解能とも言います。

コンピューター断層像

コンピューター断層撮影とは、CT(Computed Tomography)の日本語での別称です。

詳細はCTページを参照してください。

再構成

再構成とは、CTスキャンで取込んだ投影データ(生データ、ローデータ)をCT画像再構成ソフトの機能で3次元化する工程をいいます。CT画像再構成ともいいます。

最大値投影法

詳細はMIP表示ページを参照してください。

サイノグラム(英語:sinogram)

サイノグラムとは、CTスキャン時に取得された各投影 位置における検出器からの出力データを示したものです。各投影位置をプロジェクション(projection), 検出器からの出力データをチャンネル(channel)と呼 びます。

一般的に,Y軸がプロジェクション,X軸がチャン ネルということになります。

サーフェースレンダリング

サーフェースレンダリングとは、CT画像再構成の古典的な三次元表示技術で、CT値を閾値で区別して表示する方法です。現在はボリュームレンダリングが使われるようになり、あまり使われなくなりました。

サブトラクション

サブトラクションとは、画像の差分を表します。

三次元CT

近年最も使われているX線CTスキャンの方法です。一般的にはコーンビームCT(CBCT)と呼ばれています。旧世代の方法である二次元CTより短時間でサンプルの全体をスキャンできるので最も一般的に使われているX線CTスキャンの方法です。

三次元表示

三次元表示とは、CTスキャン後、投影データを再構成して三次元化したデータを表示する事です。通常は2次元のスライス画像(横断面XY、冠状面XZ、矢上面YZ)と三次元のボリューム表示で構成されております。画質は撮影スキャン時の条件、断面画像の枚数、アーチファクトの軽減度等で決まります。特異な表示方法として、パノラマ表示があります。この表示方法は歯科CTで良く使われる方法ですが複数のセクションを一度の操作で確認できる利便性から他のCTでも使われております。

詳細はユーザーインターフェースページを参照してください。

シェーディングアーチファクト

シェーディングアーチファクトとは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の一種です。ビームハードニングが原因で起こります。

時間分解能(英語:temporal sensitivity profile: TSP)

時間分解能(temporal sensitivity profile:TSP)とは,どれくらい短い時間で撮影(画像化)が可能かを示す指標です。CTにおける時間分解能は、X線管のスキャン時間,或いは1画像あたりにおける投影データの時間的な感度分布によって定義されます。

シャワー状アーチファクト

シャワー状アーチファクトとは、Ⅹ線の発生に問題がある場合に出るアーチファクトです。X線管の耐圧不慮も考えられます。

対策としては、X線管のエイジングをしっかり行う、又はX線管の管電流を下げてスキャンを行い、再度、低圧からのウォームアップを実行します。それでも状況が変わらない場合はX線管の故障も考えられますので修理、交換が必要となります。

シンクロトロン

シンクロトロンとは、円型加速器の一種です。円型をした加速器の中で、電子線を加速します。電子が円軌道を描く時、強力なX線が接戦方向に発せられます。特定のエネルギー(波長)部分だけを外に取りだし、近似的な単色X線として利用します。シンクロトロンの利点は、方向性が極めて高く、強度も大きいX線が得られます。

シンクロトロンでは電子線以外に、陽子線・重粒子線等の荷電粒子も加速します。

ストリーク状アーチファクト

ストリーク状アーチファクトとは、検出器の故障・不良等に起因して起こるアーチファクト。撮像されたセット画像の内、幾つかの画像においてデータ収集不良のためのチャンネル固定型のストリークが発生します。DASの故障不良が考えられます。

対策として、検出機器・DASの修理・交換が必要です。

スライス感度プロフィール(SSPz)

スライス感度プロフィール(SSPz)とは、CT画像において、サンプルの体軸方向における感度プロフィールです。スライス感度プロフィールはスライス厚を決める要素をなります。

線質硬化現象(英語:beam hardening effect)

線質硬化現象はビームハードニング効果を指します。

造影剤(英語:contrast medium)

造影剤とは、臓器や病変を見る軟組織を対象とした医療分野でのCT検査で使用される液体状の溶剤です。通常のCTやMRIでは詳細が出にくいため、造影剤を用いて行う場合があります。

臓器や病変の血流状態を見たり、血管と病変の区別、さらに造影剤が腎臓から排出されることで腎機能、尿路の状態を観察することが可能となります。

CTにはヨード造影剤を使用します、MRIにはカド二ウムを造影剤として使用します。造影剤は特に医療系CT検査によく使用されます。

ダイナミックレンジ(英語:dynamic range)

ダイナミックレンジとは、X線CT画像の諧調を表現する輝度値の幅を表している言葉であり、検出器(カメラ、フラットパネル)の性能を表す項目の一つとなります。

ダイナミックレンジ幅が広ければ、X線の透過が多すぎたり少なすぎても諧調の情報を失わずに画像表現ができます。
しかし、ダイナミックレンジ幅が狭ければ、X線の透過が多すぎたり少なすぎたりすると諧調情報が失われ再現される画像に悪影響を与えます。具体的に説明しますと、X線の透過が多すぎれば白飛びが起こり、X線の透過が少なすぎれば黒潰れが起こります。

ダイナミックレンジの幅が広ければバランスのとれた諧調表現が実現できます。しかしダイナミックレンジの幅が狭ければ諧調表現が乏しくなり写るべき部分が欠落する事も予想されます。よって検出器(カメラ、フラットパネル)のダイナミックレンジの調整・選択の大切さは、かなり重要な事項となります。

多断面再構成画像

詳細はMPR表示ページを参照してください。

縦アーチファクト

縦アーチファクトとは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の一種。リングアーチファクトとセットで出るノイズ現象。

詳細は縦アーチファクトページを参照してください。

逐次近似法(英語:iterative reconstruction : IR)

逐次近似法とは、最近のCT再構成法で新しく開発され使われるようになってきたCT画像再構成方法です。これまでのCTより25~75%被曝量を減少させることが可能であり、被曝率を軽減できる事から特に医療CTにおいて注目されているCT画像再構成の方法です。またその他の分野においてもCT撮影画像の枚数が通常のCT撮影の場合に比べて少なくて済むので撮影時間の短縮が可能という利点があると言われています。

今の所、画像の品質はこれまでの方法より少し劣ると言われているが、目的に応じて被曝低減の程度を決めることで問題はないと言われています。例えば尿管結石のケースでは75%以上の被曝量を減少させても、肺野及び尿管結石の観察には問題ないレベルと言われています。また、造影剤を使用したCTスキャンの場合でもかなりの被曝量を落とすことが可能と言われています。

チャンネル

チャンネルとは、検出器のことを言います。

中性子線CT

中性子線を用いたCT装置。X線CT装置と同じくサンプル被写体に照射して透過画像を得てから再構成画像を構築する。

透過撮影法

透過撮影法とはラジオグラフィを指します。

等方性(英語:isotropic)

等方性とは、立体的にどの方向からも空間分解能が等しい状態を言い、ピクセルのサイズとスライス厚のサイズが等しいことを指します。1990年代初頭でのCTの再構成画像は、まだ技術的進歩がなされておらず、体軸断面(XY)の空間分解能と体軸方向(Z)の空間分解能にばらつきがありました(異方性)。しかし、1990年の後期から検出器の発展に伴い撮影スライス厚を薄くする事が可能となり、体軸断面(XY)と体軸方向(Z)の空間分解能がほぼ等しい等方性データを生成する事が可能となりました。

生データ(英語:raw data)

生データとは、CT撮影により検出器が得たデータです。CT画像再構成が行われる前のデータです。ローデータとも言います。

二次元CT

二次元CTはファンビームCTとも呼ばれます。旧世代のX線CTスキャンの方法です。カメラ機構にラインセンサー等を用いて二次元的に画像をスキャンする方法です。サンプルの全体をスキャンするにはかなり時間を要しますが、三次元CTと比較してメタルアーチファクトやビームハードニングアーチファクト(カッピング効果)の原因となるX線のハレーション現象が起きにくいので狭い範囲や一部分だけをスキャンするのに良く使われている方法です。

パーシャルボリューム効果(英語:partial volume effect)

パーシャルボリューム効果とは、CTでは最少体積内では区別が付きにくい状態を表します。特に、スライス厚が厚いとその影響が大きくなり、CT値の不正や辺縁のボケの原因となります。パーシャルボリューム効果は部分体積効果とも言います。

ハーフスキャン(英語:half scan)

ハーフしキャンとは、CT撮影において半回転程度から投影データを得る事を言います。正確には180°+ファン角度です。

ハンスフィールドユニット

ハンスフィールドユニットとは、CT値の別称です。この用語はCTの発明者であるイギリス人技師、ゴッドフリー・ハウンズフィールド氏(Sir Godfrey Newbold Hounsfield、1919~2004)の名前から名付けられました。

ピクセル

ピクセルとは、2D画像を構成する最少単位のモノ。一つのピクセルが一つのCT値を持っています。

微小球体ファントム

微小球体ファントムとは、スライス感度(SSPz)を測定する方法です。先ず球体治具をスキャンし、複数の画像から求める方法です。ビーズファントムとも言います。

ヒストグラム

ヒストグラムとは、2Dスライス画像、3次元表示画像のCT値を表示します。折れ線グラフの形態で表示される事が多いです。

ビーズファントム

ビーズファントムとは、微小球体ファントムの別称です。球体のファントムをスキャンして複数の画像を得てからその画像からスライス感度(SSPz)を測定します。

非破壊検査(略記号:NDT、英語:Non Destructive Testing)

人の生活は様々な人工物や自然物の融合により成り立っています。これら人工物や自然物は越年劣化や事象により壊れてしまい安全面等の問題を引き起こすので、これら壊れた原因を探る為に様々な検査が必要となります。また、新しい技術開発や学術的な発見においても検査は必要不可欠な行為となります。

非破壊検査はこれらの検査の一つの方法であり、その特徴としてはモノを壊さずに検査をする行為となります。非破壊検査の主な目的は傷の有無・モノの大きさ・形状・存在分布位置や状態・性質の把握等があります。非破壊検査の主な種類として放射線透過試験、超音波深傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験そして過流探傷試験等があります。X線を使用したCTスキャンは放射線透過試験の代表的な検査方法として上げられております。

ビームトリマ

ビームハードニング(英語:beam hardening)

X線CTスキャンは連続X線を使用しているので、物体を通過すると線質を硬くしていきます。それにより、X線の透過力が増加していきます。このため、吸収体(物体)の長さが長い部分が理論値よりX線が多く透過する為、円筒形の被写体の場合、中央部分のCT値が大きくなる現象が起こります、この現象が線質硬化現象/ビームハードニング効果と呼ばれています。

対策として、X線CTスキャンを行う時に補正データを使います。補正が足りないとカッピング効果現象が発生します。

TomoShop®ではビームハードニングにより派生するカッピング効果やメタルアーチファクトを強力に軽減する補正機能が付いております。

詳細はアーチファクト軽減技術の説明ページを参照してください。

ビームハードニング補正(英語:BHC correction)

ビームハードニング補正とは、CTスキャンにおいて発生したビームハードニングをソフト的に補正する方法です。

弊社が提供するCT再構成ソフトウェア:TomoShopには優れたBHC補正機能が搭載されております。

詳細はアーチファクト軽減技術の説明ページを参照してください。

ビュー数

ビュー数とは、画像再構成で使用される投影データ(Raw、撮影データ)の数です。

ビューアー

ビューアーとは、CT画像を観察する為の機能、ソフトウェア又は装置です。以前ではシャウカステン方式が主流でしたが現代ではCRTで画像観察する方法が主流となっております。

ファン角(英語:fan angle)

ファン角とは、スライス面方向のX線ビームの広がり角度を表します。ファンビームCTで使われる角度。

ファンビームCT(英語:fan-beam CT)

二次元CTと呼ばれる方式。360度の回転で被写体の1階層をスキャンしてZ方向にシフトを繰返して被写体の全体をスキャンする方法。スライス画像を重ねて3次元CT画像を生成する。検出器にはラインセンサー等のリニア型の検出器を使用する。長所としては、検出器の面積が小さい為、X線を高い管電圧で使用できるので金属等のX線の透過率が低い材質で大きいサイズの被写体でも比較的綺麗な画像が得れる。短所としては、被写体全体をスキャンする場合、撮影時間が長くかかる。コーンビームCT(CBCT、三次元CT)が開発される以前からあった方式である。

フィルター逆投影法(英語:filter back projection)

フィルター逆投影とは、現在のCTにおける画像再構成手法です。関数の変化で画質を変えます。

風車状アーチファクト(英語:windmill artifact)

ヘリカルCTスキャンを行った場合出るアーチファクト。画面上に渦巻き状(風車状)に出るノイズ形状からそう呼ばれます。ヘリカルCTスキャンのピッチを大きくしたことで補間計算に問題が生じて起こる現象です。

フェルドカンプ再構成(英語:feldkamp reconstruction)

フェルドカンプ再構成とは、コーン角を考慮したCT画像再構成の手法。2000年代から現在(2015)に至るまでCT画像再構成において、最も使われている手法。FDK法とも言います。

部分体積効果

部分体積効果とは、CTにおいて最少単位体積内ではCT値の区別が付きにくくなり正しいCT値が得られなくなる現象を言います。そしてこれが原因で辺縁にボケが発生します。特にスライス厚を厚く取ってCTスキャンするとこの影響が強く出ます。部分体積効果はパーシャルボリューム効果とも呼ばれます。

フーリエ変換(英語:moduration transfer function)

フーリエ変換とは、データ解析方法の一つで画像解析に良く使われる方法です。1スライス厚(周期)にどの程度の分解能を要しているか、色々な周波数の波の振幅(波の高さ)を調べる方法です。変調伝達関数とも言われます。

フルスキャン(英語:full scan)

CTスキャンにおいてサンプルの全体をスキャンする方法です。これに対してパーシャルスキャン(部分スキャン)という部分的にスキャンする方法もあります。

プロフィール表示(英語:profile)

プロフィール表示とは、CT画像上の線のCT値を表示する方法です。

ヘリカルスキャンアーチファクト

ヘリカルスキャンアーチファクトはヘリカルCTに発生するアーチファクトです。ヘリカルスキャンで良く見られる風車状アーチファクトや画像再構成間隔の拡大が原因で発生します。ヘリカルアーチファクトは別名で階段状アーチファクトと言います。

変調伝達関数

フーリエ変換のことです。1スライス厚(周期)にどの程度の分解能を要しているか、色々な周波数の波の振幅(波の高さ)を調べる方法です。

ボクセル

ボクセルとは、ボクセル表示の3D画像を構成する最少単位のモノ。CTで使用する3D表示画像はピクセル画像を元に再構成され作られます。一つのピクセルに奥行き(Z方向)が加わったモノ。よってCAD等で使われているダイナミックピクセルの3D画像とは全く別のコンセプトとなります。

ボリュームレンダリング(英語:volume rendering)

ボリュームレンダリングとは、CG(コンピューター・グラフィックス)の表示方法の一つです。 閾値等の領域の抽出は行わないで、ボリュームデータから直接的に3次元画像を作成する描画方法です。全てのボクセル対して不透明度と色調を設定することで閾値処理を行う事なく3次元画像を得る事が可能です。CT画像再構成において、以前はサーフェースレンダリングが主流でしたが近年ではボリュームレンダリングが主流になりつつあります。

ミスレジストレーション

ミスレジストレーションとは、サブトラクション法を使用した場合、ノイズ陰影として残った残像の事です。サブトラクション法を行う場合、ミスレジストレーションをいかに抑えるかが良い結果を得る為のカギとなります。

ミスレジストレーションを評価する方法はまだ完了しておりませんが、一例としてファントムを使用する方法が考えられています。

メタルアーチファクト(英語:metal artifact)

メタルアーチファクトとは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の一種。金属が被写体に含まれる場合起こるノイズ現象。

詳細はメタルアーチファクトページを参照してください。

モーションアーチファクト(英語:motion artifact )

モーションアーチファクトとは、X線CTスキャン中に被写体が動いた場合に起因するアーチファクトです。出てしまったデータを修正するのは非常に難しいです。

対策として、被写体が動かないようにしっかりと固定して再度CT撮影を行います。

ヤスリ状アーチファクト

ある被写体部において、特定の投影方向にX線吸収率が高い物質が存在した場合に起こりやすいアーチファクトです。ヤスリのような形状が見られることからヤスリ状アーチファクトと呼ばれています。

陽子線CT

陽子線を用いたCT装置。

ラジオグラフィ

ラジオグラフィとは内部に材質の異なる異物や欠陥等の空間(空気)が存在する被写体に放射線(例、X線)を照射すると、正常部、異物そして空間を含む領域の源氏yぁ九割合が異なるので各領域を透過する放射線の強度比が異なります。この原理を利用して内部構造を調べる方法をラジオグラフィと言います。透過撮影法とも言います。利用される放射線はX線が代表的なものとなりますがその他には中性子、ガンマ線等も利用されます。

らせん軌道スキャン

らせん軌道スキャンとはCTスキャンの方法の一例で、CTスキャン時にらせん軌道の動きでスキャンを行う方法です。らせん軌道スキャンは一般的にヘリカルスキャン(ヘリカルCTスキャン)と呼ばれますが、メーカーにより呼び方が違う場合があります。例、ボリュームスキャン(日立)。

リングアーチファクト(英語:ring artifact)

リングアーチファクトとは、CTのスライス画像上に現れるノイズ現象の一種。

詳細はリングアーチファクトページを参照してください。

レイキャスティング法(英語:ray casting: volume ray casting)

レイキャスティング法とは、ボリュームレンダリング法の一種です。幾何学的な形状でない自然形状等の不規則な形状物をリアルに表現できる高レベルな3DCGの方法。

詳細はボリュームデータの可視化技術の説明ページを参照してください。

レンダリング

レンダリングとは、数値化された物体や図形に関する情報を計算により画像かする事を言います。レンダリングとは3次元グラフィックスを生成することを指しますが、違う言い方をすればデータの可視化の事を指します。

ローデータ(英語:raw data)

ローデータとは、CT撮影により検出器が得た撮影画像データです。CT画像再構成が行われる前のデータです。生データとも言います。

ワークステーション(英語:work station)

画像解析を目的とした装置又はソフトウェアで、スキャン機能を持ちません。これはCTの機能が高度化したため画像解析とCTスキャン機能を分担して行うというコンセプトからです。